新型コロナウイルス オミクロン株について Classification of Omicron (B.1.1.529): SARS-CoV-2 Variant of Concern
オミクロン株とは新型コロナウイルスの変異株の一つで、2021年11月24日に南アフリカから最初に報告されました。
南アフリカでは感染の増加が3度確認されていますが、11月下旬より第4波を思わせる感染者の急増を認めており、このオミクロン株の出現と第4波は一致しているようです。
日本でもオミクロン株を11月28日に「懸念される変異株」位置づけ、対策の強化を講じているのは報道などでも知るところです。
オミクロン株は強い?怖い?
現段階ではまだ未解明な点も多いオミクロン株ですが、各国のデータを見てみると、個人的に「怖い」と感じる点と、「意外と大丈夫?」と感じる点があります。
「怖い」と感じるのは、日本でも猛威を振るったデルタ株を上回る感染力を持っている可能性がある点です。
デルタ株は非常に感染力が強く、この夏以降に検出されるコロナウイルスは、世界中でほぼすべてデルタ株に置き換わっています。その中で南アフリカではそのデルタからオミクロン株に置き換わっているので感染力の強い変異ウイルスの可能性があります。
一方で「意外と大丈夫?」と感じる点もあります。
大丈夫と思える一つの点として、オミクロン株については各国での死亡例がまだなく、軽症が多いという報告があります。しかしこちらに関してはまだ情報が少なく、高齢化率5%程度の南アフリカと、高齢化率30%近い日本とでは同じ状況になるのかどうかわかりません。「意外と大丈夫?」と書きながらも、楽観視することには注意が必要です。
結論として現時点では、オミクロン株は感染力がかなり強いと推定されているが、重症化しやすいかについては今後のデータを見てみないとわかりません。
しかし昨年春頃の新型コロナについてわからないことが多く、検査体制・ワクチン・治療薬も全くない状況とは違います。
個人ができる対策としてはワクチン接種の推進に加え、今まで通り、マスクの着用や手指消毒、密を避けるといった基本的な対策の継続を引き続き心がけていく必要があると考えます。
当院では発熱外来を設けており、コロナの診療を積極的に行っております。
発熱外来は予約制となっておりますので、お熱が出てご不安なことがあればお電話でご連絡ください。